吉島小学校 子どもいじめ防止基本方針


    川西町立吉島小学校 子どもいじめ防止基本方針          

 

令和 3年 4月 1日

川西町立吉島小学校

  ≪目次≫

    1 はじめに

    2 いじめの定義

    3 いじめ防止のための取組

        4 いじめと判断された事案への対応

    5 重大事態への対応

        6 その他

 

1 はじめに

 本校では、「吉島を愛し、次代を担う“明るく・賢く・逞しい”子どもの育成」を学校教育目標に、児童一人一人をかけがえのない存在として尊重し、子どもたちの可能性の芽を膨らませる学校の創造に取り組んでいる。

 一方で、昨今の教育を取り巻く現状は、人間関係の希薄化や社会構造の複雑化、多様化により、人間の尊厳やいのちを脅かす深刻な問題に直面している。

 こうした中、平成25年9月に「いじめ防止対策推進法」及び同年10月に「いじめ防止基本方針」が国において制定されており、県および川西町からもいじめ防止基本方針が示された(県においては平成29年11月改定)。本校においてもこの方針を受けて、「いじめは、どの学校でも、どの学級にも、どの児童にも起こりうる」という基本認識に立ち、本校の児童が楽しく豊かな学校生活を送ることができるよう、以下の川西町教育委員会が示す「基本方針」を受けて指導にあたる。

 学校、家庭、町、地域社会は、

(1)「いじめを絶対に許さない」という共通認識に立ち、いじめの根絶をめざす。 

(2)自他の命を大切にする子どもを育てる。

(3)子どもが安心して生活し、学ぶことができる環境をつくるために、主体的かつ協働して、いじめの未然防止及び解決に取り組む。

(4)子どもが自分を大切に思うとともに、相手を尊重する態度を育てる。

(5)いじめの未然防止や早期発見及び解決のために、本方針で定める内容を、それぞれが責任を持って取り組む。

 本方針は、「いじめ防止対策推進法」第13条の規定に基づき、国および山形県教育委員会、川西町教育委員会も各方針を受け、策定するものとする。

 (13条) 学校は、いじめ防止基本方針又は地方いじめ防止基本方針を参酌し、その学校の実情に応じ、当該学校におけるいじめの防止等のための対策に関する基本的な方針を定めるものとする。

 

2いじめの定義

 いじめの定義は、以下による。 <いじめ防止対策推進法 第2条>

 (第2条) この法律において「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。

 

※たとえ、好意で行った行為であっても、行為の対象となった児童が心身の苦痛を感じるなど、被害の認識を確認できれば「いじめ」とする。

 

3いじめ防止のための取組   

(1)「いのちの教育」のを土台としたいじめ防止の推進

①「いのちの教育」全体計画を策定する。

②日々の授業、各種行事等、地域・人から学ぶという3つの視点から教育活動を整理し、自他のいのちの尊重(自尊感情を育む)、いのちのつながりと多様性について学校教育活動全体を通して指導する。

③いじめに見られる複雑な集団構造(二者関係のみならず観衆や傍観者)を的確に見極め、いじめを受けた子どもを徹底して守り通す。(2)教員の資質向上

①生徒指導の機能(自己決定、自己存在感、共感的人間関係)を生かした授業実践に努める。

②毎週木曜日の職員終会時に児童理解の時間を設定し、児童の様子についての情報や共通して指導すべき内容を共有する。

③職員会議の前段に「校内倫理委員会」を位置づけ、いじめ防止に係る研修の場としても活用しながら、変化に気づく観察力、人間関係を見抜く洞察力、いじめの芽に気づく危機意識を高める。

④生徒指導研修会にて「いじめ防止」に係る研修を位置づけ、教職員の資質向上を図る。

(3)未然防止、早期発見、早期対応等の体制づくり

①未然防止に関わって

 すべての児童に、「いじめ」は人権を侵害する絶対に許されない行為であり、犯罪行為であることを理解させ、人権尊重の精神の涵養を目的とする教育活動を行う。

・確かな学力をつけるために、わかる・できる授業と授業改善に努める。

・生徒指導の機能を活かした指導を通して、自己存在感や自尊感情を高める。

・道徳教育や人権教育の充実を図り、自他を尊重できる態度を養う。

・心の安らぎ、居場所のある学級経営、学級づくりに努め、コミュニケーション能力や集団を通しての問題解決力を高める。

・縦割り活動、ボランティア活動などの児童会活動を充実させ、人とつながり、社会に参画する能力を養う。

・いじめ防止に取り組む本校の様子をウェブページや学校だより等で、幅広く保護者や地域に知らせ理解してもらうとともに、情報提供の協力を求める。

・ソーシャルネットワーキングサービスを含むインターネット上のツールが、様々な問題を引き起こしていることを指導するとともに、インターネット利用のマナーやモラルの学習を推し進める。さらには、保護者を対象としたフィルタリング設定やインターネット利用に係る家庭でのルールづくり等を周知させる。

②早期発見・早期対応に関わって

 日頃から児童の見守りや信頼関係の構築に努め、児童の変容やサインを見逃すことのないよう危機管理意識を高く保つ。

<早期発見>

・年度当初、職員会議において吉島小学校いじめ防止基本方針を確認する。

・いじめ防止アンケートを実施、集計し、該当児童の個人面談を受けて、必要に応じて「いじめ防止対策委員会」にて組織的に対応する。

・全県一斉による「いじめ防止アンケート」を実施し、結果を報告する。

・学校評価に係る保護者アンケート内にも「いじめ防止」に係るアンケート項目を加え、保護者の視線からの事実把握に努める。

・いじめ防止に係る本校の取組について地域や家庭に広く啓発し、微細な事象、気づきであっても学校がそれら情報をキャッチできる体制を構築する。

<早期対応>

・いじめが少しでも疑われる段階から、該当児童および情報提供児童の安全を確保する。(安全確保)

・いじめ(疑いを含む)を認知した場合は、直ちに事実の有無等を確認し、時系列での整理をする。(事実確認)

・いじめが確認された場合は、いじめ防止対策委員会を直ちに開催し、最善の対策を講じる。(指導・支援・助言)

・被害児童の保護者や加害児童保護者に必要に応じて情報を提供し、指導の協力を依頼する。(情報提供)

③組織・体制づくりに関わって

・いじめの防止等に組織的に対応するため、「いじめ防止対策委員会」を設置する。

・構成員は以下の通りとする。

   校長、教頭、教務主任、◎生き方指導部長、下・上学年・特別支援学級主任、保健主事、該当学年担任(その他、校長が必要と認める職員)

・本委員会の主な役割は以下の通りとする。

 1) 本校の子どもいじめ防止基本方針が機能しているかを点検し、PDCAサイクルで検証と改善を図る。

 2) いじめの疑いに係る情報の収集や記録の整理を行う。

 3) いじめ情報に迅速かつ適切に対応するための緊急会議を開催する。

④情報の公開

・いじめの発生件数は、保護者に対し原則として公表するものとする。発生件数以外の内容は、個別に状況を判断し、個人情報保護や当該児童の心身の発達等の観点から総合的に勘案した上で公表するものとする。

・本基本方針に係る内容や発生件数等の公表は、年度当初など効果的で適切な時期を選んで行うこととする。

 

4いじめと判断された事案への対応

<第1段階>

・いじめ防止対策委員会を直ちに起ち上げ、機能させる。

・いじめ被害児童の保護を最優先とし、迅速かつ的確な情報の収集と分析にあたる。

<第2段階>

・被害児童保護者への誠意ある説明、謝罪及び支援を行う。

・いじめ加害児童への迅速かつ適切な聞き取り及び指導を行う。また、加害児童の保護者へは正確な事実経過・指導の説明を行い、今後の対応について支援を行う。

・いじめ被害児童と加害児童の経過観察を綿密に行い、相互関係の変容や意識の変化を敏感に把握するとともに、明確な改善が確認できるまで、根気強い指導を継続する。

・該当する児童の保護者間のトラブルに、的確に対応する。

・町教育委員会・関係機関への迅速かつ正確な指導経過を報告し、必要に応じて連携した対応策を講じる。

・一定の解決後の継続的な見届けを大切にし、定期的な教育相談を含む指導を重ねていく。

<第3段階>

・スクールカウンセラーやソーシャルワーカー等、外部からの支援を要請し、継続的な指導・助言を求めるとともに、児童間の人間関係の改善を継続的に注視していく。

・該当児童の保護者と綿密な連絡を取り合い、家庭での様子や児童の言動について継続的に把握する。

・いじめ行為の改善、終息をいじめ防止対策委員会にて確認する。

 

5 重大事態への対応

(1)重大事故の見極め

 ・いじめ防止対策推進法28条を原則として判断する。

 一 いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。

 二 いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。

・以下の基準により細部の判断を行う。

生命、心身又は財産 ・自殺を図った場合 ・身体に重大な障害を負った場合 ・金品等に重大な被害を被った場合 ・精神性の疾患を発症した場合 等

相当の期間 ・年間30日間を目安とするが、いじめの様態としては連続することが一般的であり、連続した欠席である場合は、直ちに適切な対応を講じる。

(2)教育委員会への迅速な報告(山形県いじめ防止基本方針により、その疑いがある場合も含む)

        ・ (1)の基準に照らして重大事態と判断した場合は、直ちに町教育委員会、関係機関に報告または通報し、支援、協力を求める。

       ◆ 懲戒、出席停止に関する教育委員会との連携

        ◆ 医療機関、児童相談所、警察等の関係機関との連携

        ・ 収束期における継続的な指導に関する報告を行い、指示を仰ぐ。

(3) 重大事態と判断した場合の対応

        ・ 川西町子どもいじめ防止基本方針 4及び5 を受けて、適切に対応する。

①調査の主体について、教育委員会による指示を仰ぐ。

②調査の主体が学校の場合、いじめ防止対策委員会を直ちに設置し、組織的な対応をする。

   調査の主体が教育委員会の場合、指示のもと、資料の提出等調査に協力する。

   ※重大事故対応フロー図 <文部科学省>に沿って対応する。

③調査組織で事実関係を明確にするための調査を実施する。

④いじめを受けた子どもおよびその保護者に対して、適切な情報提供を行う。

⑤調査結果を教育委員会に報告する。

⑥調査結果を踏まえ、必要な措置を実施する。

⑦再発防止に向けた継続的な指導及び支援を行う。

(4)校内の連絡・報告体制

・重大事故発生時の救急及び緊急体制(学校経営概要)による。

(5)外部機関との連携

・重大事案に係る事実関係の調査、及び事後対応、発生防止については、必要に応じ川西町教育委員会、米沢警察署、児童相談所、置賜教育事務所の「いじめ解決支援チーム」と連携を図りながら進める。

 

6その他

   本校が策定する本基本方針に基づき、いじめ防止に係る取組や指導について確実に実践していくとともに、その成果についてPDCAサイクルによる定期的な評価を行い、絶えず修正を図っていくものとする。